
ボリード
ファスナーを備えた草分け的なバッグ。丸みのあるフォルムで実用性が高い。
情報・画像 索引元:Wikipedia (Hermès) ↗- カテゴリー
- バッグ(ハンドバッグ/旅行)
- 登場年
- 1923年頃とされる(諸説あり)
- デザイナー
- エミール=モーリス・エルメス
- 原名
- サック・プール・ロト(車のためのバッグ)
- 名の由来
- 彗星+スポーツカーへの賛辞とされる
- 象徴的特徴
- 草分け的なファスナー開閉+ドーム型
- 形状
- 丸みのあるドーム型
- 持ち手
- ダブルハンドル+取り外し式ストラップ
- 仕立て
- ムー(柔)/リジッド(構築)の2タイプ
- 主なレザー
- クレマンス/エプソン/シッキム ほか
- サイズ展開
- 27・31・35・45/現行1923はMini・25・30
- 付属
- カデナ・鍵・クロシェット(ミニは仕様差)
- 見分けの目安
- 刻印・ステッチ・金具・ファスナー(保証不可)
- 注意
- 真贋・相場は保証せず/判断は専門家へ
相場の推移
推定であり保証ではありません—
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概要 — どんなバッグか
ボリード(Bolide)は、エルメスを代表するバッグのひとつで、丸みを帯びたドーム型のシルエットと、両端近くまで弧を描いて伸びるファスナーが最大の特徴です。ダブルの持ち手に加え、取り外し可能なショルダーストラップが付き、手持ち・肩掛けの両方に対応します。クラシックで主張しすぎないフォルムゆえに、デイリーから旅行まで幅広く使える実用性の高さで長く愛されてきました。バーキンやケリーほど構築的ではなく、より柔らかく親しみやすい佇まいが魅力とされています。
オリジナルの図解です(実物写真ではありません)。
歴史 — 1923年、ファスナーの先駆け
ボリードの原型は1923年、3代目エミール=モーリス・エルメスによって生み出されたとされます。1916年に北米でヘンリー・フォードの自動車工場を訪れた際にファスナー(ジッパー)の仕組みに着目し、革製品への応用をフランスで特許化したと伝えられます。そして、ファスナーを備えた初の(あるいは草分け的な)ハンドバッグとして登場しました。当初は自動車での移動のために考案され「サック・プール・ロト(le sac pour l'auto=車のためのバッグ)」と呼ばれていたとされます。誕生年や細部の経緯には諸説あり、概ね1920年代前半とされる点を踏まえておくとよいでしょう。
- 1923ファスナー付きバッグとして誕生(当初は「車のためのバッグ」)
- 1982「ボリード」の名称が定着
名前の由来 — 彗星と疾走するスポーツカー
「ボリード(Bolide)」という名は、16世紀に彗星や火球を指した言葉に由来するとされ、同時に当時急成長していたスポーツカー(高速で疾走する車)へのオマージュでもあると語られます。フランス語で bolide は今日でも「猛スピードの車・流れ星」のニュアンスを持ちます。自動車旅行のために生まれたバッグにふさわしい、スピードと近代性を象徴する命名といえます。改名された正確な時期については諸説あります。
サイズ展開 — 27・31・35・45と現行の1923
クラシックなボリードは概ね27・31・35・45cmの4サイズで展開されてきました。27と31は日常使いの定番で、31はA4書類や小型のタブレット類も収まる容量とされます。35は仕事・旅行向け、45はトラベルサイズに位置づけられます。近年の現行ラインである「ボリード1923」では、ミニ・25・30といった構成が登場しています。寸法は素材や年代・仕様で多少前後するため、下記サイズ表の数値は概ねの目安としてご覧ください。
幅 (cm)
素材 — レザーの種類と硬軟2タイプ
ボリードに多く用いられるレザーは、トリヨン・クレマンス(マットで傷に強い柔らかなカーフ)、エプソン(型押しで軽量・型崩れしにくいカーフ)、シッキム(きめが少なく非常に柔らかな素材)などが代表的です。アリゲーターやクロコダイルといったエキゾチックレザー、トワルやポニーとの異素材コンビも見られます。仕立てには、柔らかく寛いだ印象の『ムー(Mou)』と、構築的で端正な『リジッド(Rigide)』の2タイプがあり、選ぶ素材と仕立てで表情が大きく変わるのが面白いところです。
オリジナルの図解です(実物写真ではありません)。
オリジナルの図解です(実物写真ではありません)。
金具・ディテール・構造
ボリードの構造的な見どころは、側面まで弧を描くファスナー、ダブルの持ち手、取り外し可能なショルダーストラップです。多くの個体には鍵付きのロック(カデナ)とクロシェット(鍵入れ)が付属します(ミニは仕様が異なる場合があります)。外側にはモノグラム(イニシャル刻印)用の楕円形のレザーパッチを備える仕様も見られます。金具はゴールド系・パラジウム系などが用いられ、年代やコレクションによりジッパーの引き手やパッチの形状にも違いが出ます。
- 1ダブルハンドル — 上部に並ぶ2本の持ち手。付け根の擦れ・ひび割れが出やすい
- 2アーチ型ファスナー — 端から端へ弧を描く象徴的なジップ開閉。1923年特許の機構
- 3引き手(プルタブ) — ファスナーに付くレザーの引き手。先端の劣化を確認
- 4ドーム型ボディ — 丸みのあるドーム状の本体。型崩れの有無を見る
- 5カデナ&クロシェット — 南京錠と鍵を収める鐘形レザーケース。鍵の有無を確認
- 6ピエ(底鋲) — 大型サイズの底に付く金属脚。摩耗・欠落を見る
- 7オーバル刻印プレート — ヴィンテージ個体に見られるモノグラム用の楕円パッチ
オリジナルの図解です(実物写真ではありません)。
オリジナルの図解です(実物写真ではありません)。
刻印・年代の見方(一般論)
エルメスのバッグには、製造年を示す『ブラインドスタンプ(刻印)』と、職人・アトリエを示す刻印が革に型押しされるのが一般的です。年代を示す文字は時期により囲み形状が異なり、概ね1945〜1970年は囲みなし、1971〜1996年は丸囲み、1997年以降は四角囲み、2015年前後からは文字と数字を組み合わせたより複雑な体系へと変化したとされます。ただしこれはあくまで一般的な目安で、刻印は年代推定の手がかりに過ぎません。刻印の有無や形だけで真贋を断定することはできず、最終的な判断は専門家にご相談ください。
一般的な目安です。刻印だけで年代・真贋は断定できません。
見分け方・コンディションの見どころ
中古での見どころは、まずファスナーの開閉のスムーズさ(ボリードの心臓部です)、ジッパーテープやスライダーの劣化、ドーム型の型崩れやヘタリ、四隅の擦れ、持ち手・ショルダーの根元のダメージなどです。付属品(鍵・カデナ・クロシェット・ダストバッグ)の有無も評価に影響します。刻印・ステッチの均一さ・金具の質感などは品質を見る一般的な手がかりになりますが、これらはあくまで目安であり、真贋を保証するものではありません。判断に迷う場合は必ず信頼できる専門家へご相談ください。当サイトは中立の情報提供を目的とし、鑑定は行いません。
- ✓ファスナーの動作 — アーチ型ジップが端まで滑らかに動くか。引っ掛かり・歯の欠けを確認
- ✓持ち手の付け根 — 2本の持ち手の付け根のステッチ・ひび割れ・色移りを確認
- ✓鍵・カデナの付属 — 南京錠・鍵・クロシェットが揃っているか。欠品が多い
- ✓底とピエの状態 — 大型は底鋲の摩耗、底面の擦れ・型崩れを確認
- ✓刻印の判読 — 製造刻印・デートスタンプが読めるか(状態の目安。真贋を保証するものではない)
- ✓内装の状態 — 内ポケット・ライニングの汚れ・剥離・匂いを確認
あくまで着眼点であり真贋を保証しません。最終判断は専門家へ。
相場・選び方の考え方
ボリードはバーキン・ケリーに比べると入手しやすく、ヴィンテージ市場でも比較的見つけやすいモデルとされます。価格はサイズ・素材(エキゾチックは大幅に高くなる)・色・コンディション・付属品・製造年で大きく変動します。例えば過去の参考小売価格では27〜45cmで概ね数千ドル台が中心とされましたが、これはあくまで一時点の参考値で、現在の相場や売買価格を保証するものではありません。実用重視なら27/31の定番レザー、コレクション性を求めるなら限定色やエキゾチックという選び方が一般的です。投資目的ではなく、長く使える実用品として選ぶことをおすすめします。
コーディネート・使い方
ボリードの魅力は、フォーマルにもカジュアルにも溶け込む懐の深さです。リジッド仕立てはきちんと感が出るためビジネスや式典に、ムー仕立ては肩から下げて休日のリラックスした装いに向きます。取り外し可能なストラップにより、手持ちのきちんと感と斜め掛けの機動力を一台で使い分けられるのも実用的。色は定番のニュートラル(下記スウォッチ参照)を選べば長く飽きずに使え、差し色を選べば装いのアクセントになります。
オリジナルの図解です(実物写真ではありません)。
お手入れ・保管
レザーを長持ちさせる基本は、雨・直射日光・乾燥と高温多湿を避けることです。使用後は柔らかい布で軽く乾拭きし、型崩れ防止に中に詰め物をして付属のダストバッグで保管します。エプソンは比較的扱いやすく、クレマンスやシッキムなど柔らかい素材は色移り・水シミに注意します。ファスナーは無理に引かず、引っかかりを感じたら専門のメンテナンスへ。エキゾチックレザーは特にデリケートなため、保管環境(湿度)に気を配るとよいでしょう。
一般的な目安です。大切な品は専門家の助言に従ってください。
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