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ピコタン
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ピコタン

馬の飼い葉袋に着想したトート。旧型ピコタン(2003〜2008)は一枚革構造で、後にピコタン・ロックへ。

情報・画像 索引元estime(ヴィンテージエルメス16選)
別名・通称
Picotinピコタン飼い葉袋
カテゴリー
バッグ(バケツ型トート)
登場年
2002〜2003年頃とされる(諸説あり)
名称の由来
馬の餌(燕麦)の一定量を指す古いフランス語「picotin」
旧型の構造
南京錠・ロックベルトのないシンプルな一枚革仕立て
主な素材
クレマンス、トリヨンクレマンス等のレザー
サイズ展開
概ね PM(18) / MM(22) / GM(26) ほか
金具
旧型は金具最小限。ロック移行後に南京錠を採用
刻印(年代の目安)
1997〜2014年は□囲みアルファベット(諸説あり)
ロックへの移行
2008年頃に「ピコタンロック」へ移行とされる
現行入手性
旧型は生産終了。中古市場のみで流通
真贋について
刻印等は目安。保証ではなく最終判断は専門家へ
相場
状態・素材で変動。推定であり保証しない

相場の推移

推定であり保証ではありません

関連動画

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詳しく知る

概要 ― 馬の飼い葉袋から生まれたバケツ型トート

ピコタン(Picotin)は、馬の飼い葉袋を思わせる縦長のバケツ型シルエットを持つエルメスのトートバッグ。1837年に馬具工房として始まったエルメスの乗馬文化を色濃く映したモデルで、開口部が広く荷物の出し入れがしやすい実用性と、無駄を削ぎ落とした端正な佇まいが両立している。

本ページで扱う「旧型(2003〜2008年頃とされる)」は、後年の南京錠付き「ピコタンロック」が登場する前の初期仕様で、上質なレザーを贅沢に使った一枚革仕立てのシンプルさが最大の魅力。マニア人気の高い、ヴィンテージ・エルメスらしい一本である。

イメージ図

オリジナルの図解です(実物写真ではありません)。

名前の由来 ― 「ピコタン」は馬の餌一杯分

「ピコタン(picotin)」は、馬に与える燕麦(オート麦)の一定量を指す古いフランス語の単位に由来するとされる。中世フランスでは穀物升「ボワソー」の4分の1ほどを指す計量語として使われ、つまり「馬一頭分の一回の餌」を意味する言葉だった。

バッグそのものが馬の飼い葉袋(フィードバッグ)を着想源としているため、名は体を表すネーミングといえる。エルメスのモデル名には乗馬・馬具に由来するものが多く、ピコタンもその系譜に連なる。

年表
  1. 1958ピコタン誕生 (馬具由来のトート)
  2. 2002Hカデナ追加、「ピコタン・ロック」に

歴史と進化 ― 初期ピコタンから「ロック」へ

ピコタンの登場時期は2002年あるいは2003年頃とする情報が多く、年については諸説ある。発売当初のモデルは、開口部を締めるベルトや南京錠を持たない、極めてシンプルな構成だった。

その後2008年頃に、名の通り南京錠(カデナ)と鍵を備えた「ピコタンロック」へと進化したとされる。現在エルメスの正規ラインで継続しているのは基本的にロック版で、ベルト・南京錠のない初期ピコタンは生産終了。そのため旧型はヴィンテージ市場でのみ巡り合えるモデルとなっている。

旧型ならではの構造 ― 一枚革のミニマリズム

旧型ピコタン最大の特徴は、開口部を留めるベルトも南京錠もない、限りなくシンプルな設計にある。上質なレザーを贅沢に使った一枚革仕立てで、余計な装飾を排した分、革そのものの質感とフォルムの美しさがダイレクトに伝わる。

バケツ型のボディに二本のトップハンドルが立ち上がり、底は四つの保護用スタッズ(脚)で接地から守られる構成が一般的。内装はライニングを持たない一枚革構造(アンライン)とされ、軽さと柔らかな表情を生んでいる。ロック版のような留め具がないぶん、開口部はやや開いた状態になるのも旧型らしい味わいである。

配色バリエーション
エトゥープ
ゴールド
ブラック
エトゥルプ/グレージュ
ブルージーン
ルージュアッシュ

オリジナルの図解です(実物写真ではありません)。

素材・質感
クレマンス
ピコタンの定番。柔らかく落ち感のある雄仔牛革。
トゴ
細かなシボのある牛革。型崩れしにくい。
エプソン
型押しでハリのある軽量革。発色が良い。

オリジナルの図解です(実物写真ではありません)。

サイズ・展開 ― PM/MM/GM とサイズ表記

ピコタンのサイズは、底辺の長さ(cm)を表す数字で呼ばれることが多い。一般に PM=18cm、MM=22cm、GM=26cm が知られ、より小型のマイクロ(14前後)や大型サイズが語られることもある。数字は底の一辺を指すため、同じ数字でも高さ・奥行きを含めた実容量は見た目以上に差が出る点に注意したい。

旧型期にどのサイズがどう展開していたかは個体・時期により幅があり、寸法はいずれも概ねの目安。正確なサイズは現物の実測で確認するのが確実である。

サイズ比較
サイズ比較
ピコタン PM (18)
18cm
底辺約18cm。小ぶりでアクセント向き
ピコタン MM (22)
22cm
底辺約22cm。普段使いの定番サイズ
ピコタン GM (26)
26cm
底辺約26cm。荷物が多い日に頼れる

幅 (cm)

素材・レザー・カラー

ピコタンの定番素材として広く挙げられるのがクレマンス(Clemence)。雄仔牛由来のしっとりと細かなシボを持つ革で、傷が目立ちにくく、使い込むほど柔らかく風合いが増すのが特徴とされる。旧型期の個体はこうした柔らかな革で仕立てられたものが多い。後年にはエプソンやモーリス(2017年頃導入とされる)など、よりハリのある革も加わっていく。

カラーはエルメスらしく幅広く、エトゥープ、ゴールド、ブラック、ブルー系などが人気。具体的な色番・年代別の展開は個体ごとに異なるため、現物確認が前提となる。

刻印・年代の見方(一般論)

エルメスは1945年頃から、製造年や職人を示す刻印(ブラインドスタンプ)を革に小さく型押ししてきたとされる。年代の手がかりとなるのがアルファベット1文字で、囲み記号の形状が時期によって変わる。一般に1997〜2014年は□(四角)で囲まれた文字が用いられたとされ、ちょうど旧型ピコタンの想定年代(2003〜2008年頃)はこの「□囲み」期に重なる。

ただし刻印の位置・体系には例外や諸説があり、ここで述べるのはあくまで一般的な目安。刻印だけで年代や真贋を確定することはできない。

デートスタンプ(年代の囲み記号)
Z
囲みなし〔〜1970〕
◯A
丸囲み ◯〔1971–1996〕
□R
四角囲み □〔1997–2014〕
T
囲みなし・新方式〔2015〜〕

一般的な目安です。刻印だけで年代・真贋は断定できません。

見分け方・コンディションの見どころ

中古で旧型を選ぶ際は、まず一枚革ならではの革のハリ・コシと、底のスタッズ(脚)の摩耗具合を確認したい。ライニングを持たない構造ゆえ、内側の革のスレや色移り、開口部・ハンドル付け根のヘタリも見どころとなる。ステッチの均一さ、刻印の打たれ方の自然さも観察ポイントである。

ただし、ここで挙げる項目はあくまでコンディション把握と識別の目安であり、真贋を保証するものではない。見た目の特徴だけで本物だと判断することはできず、高精度な模倣品も存在する。購入の最終判断は信頼できる専門家・正規の鑑識に委ねることを強く推奨する。

見分け・状態のチェック点
  1. Hカデナと鍵の有無 Hカデナ本体と付属の鍵が揃っているか。欠品は補修・再購入が必要になりやすい。
  2. ハンドル付け根の状態 持ち手の付け根は負荷がかかる部位。ステッチのほつれ・ひび割れの有無を確認。
  3. 底角の擦れ・型崩れ 柔らかい革ゆえ角擦れや全体の型崩れが出やすい。状態の目安として確認。
  4. 金具のメッキ状態 Hカデナ等のメッキ剥がれ・くすみを確認。使用感の判断材料。
  5. 刻印・付属品の整合 デートスタンプや付属品の有無を確認。記載は個人の見解であり真贋を保証するものではない。
  6. 内側の汚れ・匂い 開口が広いため内側に汚れ・匂いが残りやすい。裏地全体を確認。

あくまで着眼点であり真贋を保証しません。最終判断は専門家へ。

相場・選び方の考え方

旧型ピコタンはすでに生産終了で、流通は中古市場のみ。状態の良い個体は希少性から評価が高まりやすい傾向にあるとされるが、価格はサイズ・素材・カラー・コンディション・付属品の有無で大きく変動する。

ここで述べる相場観はあくまで推定であり、特定の売買価格や将来の価値を保証するものではない。投資目的を煽る情報は避け、まずは自分が長く使いたいサイズ・色かを基準に選ぶのが満足度の高い選び方といえる。中立の立場として特定ショップを優遇する意図はない。

コーディネート・使い方の楽しみ

開口部が広く荷物の出し入れがしやすいピコタンは、デイリーユースに向くカジュアルラグジュアリーの代表格。小ぶりなPMはアクセント使いに、MM/GMは普段使いの実用トートとして頼れる。一枚革のミニマルなフォルムは、デニムからきれいめまで装いを選ばない。

旧型は留め具がなく軽快に持てる反面、開口部が開いた構造のため、貴重品はポーチにまとめる、人混みでは口を内側に折るなど、中身の管理を工夫すると安心して付き合える。

着け方・配置
手持ち・肩掛け

オリジナルの図解です(実物写真ではありません)。

お手入れ・保管

クレマンスのような柔らかな革は水濡れと乾燥を嫌う。雨の日は避け、濡れたら早めに乾いた布で軽く押さえて自然乾燥させるのが基本。直射日光・高温多湿を避け、型崩れ防止に中に詰め物をして付属の保存袋で保管したい。

一枚革・アンライン構造ゆえ内側の汚れや色移りが目立ちやすいので、ジーンズなど色落ちする衣類との接触に注意。専門的なクリーニングや補修が必要な場合は、自己流の薬剤使用を避け、信頼できる専門業者に相談するのが安全である。

お手入れ・保管
水・湿気を避ける
直射日光を避ける
保存袋で保管
柔らかい布で拭く
摩擦・色移り注意
高温・乾燥を避ける
型崩れ防止(詰め物)
修理は専門へ

一般的な目安です。大切な品は専門家の助言に従ってください。

図解いろいろ

各部名称
  1. 1本体 (バケツ型) 上部が開いた台形のトート本体。レトゥルネ製法で柔らかく自立する。
  2. 2ダブルハンドル 手持ちの2本ハンドル。付け根のステッチと革の張りを確認。
  3. 3サングル (締めベルト) 開口部を絞る細いレザーストラップ。Hカデナを通して留める。
  4. 4Hカデナ (H金具) 2002年以降の象徴。Hモチーフの留め具でサングルを固定。
  5. 5ベース(底) 自立する底面。角の擦れ・型崩れを確認したい部位。
  6. 6内ポケット サイズにより内側に小ポケット。裏地の状態を確認。

オリジナルの図解です(実物写真ではありません)。

金具・留め具
Hカデナ (H金具)
2002年に追加されたピコタン・ロックの象徴的留め具。
Hカデナに付属。紛失しやすいため有無を確認。

オリジナルの図解です(実物写真ではありません)。

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