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メドール(リング)
ジュエリー

メドール(リング)

ピラミッドスタッズ(鋲)を象徴とするメドールのリング版。とがった一粒スタッズが主役のクールな意匠。

情報・画像 索引元Wikipedia (Hermès)
別名・通称
Medor Ringメドール リングMédor
通称
メドール(リング)/クルー・メドール
カテゴリー
ジュエリー(リング・指輪)
年代
ヴィンテージ(主に1990年代前後のシルバー製が多い)
主素材
シルバー(SV925/一部ヴィンテージは950+ミネルヴァ刻印)。レザー+金具仕様もあり
象徴ディテール
四角錐のピラミッドスタッズ「クルー・メドール」
モチーフの源流
コリエ・ド・シアン(犬の首輪)— 1923年のブルドッグ用首輪
名称の由来
「Médor」はフランスの代表的な犬の愛称(英語のFido/Roverに相当)
代表的な刻印
HERMÈS(eにグラーヴアクセント)/925/MADE IN FRANCE/年式コード
フォルムの傾向
オープンリング(C型)が多く、大小2粒のスタッズ配置の例も
参考実寸例
スタッズ部 約W10.8mm×H11.2mm(個体差あり)
推定中古相場
おおむね5万〜20万円台(状態・年代・サイズで変動/推定・保証なし)
留意点
真贋は専門家へ。本ページは中立の第三者情報

相場の推移

推定であり保証ではありません

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詳しく知る

概要

メドール(リング)は、エルメスを象徴する四角錐のピラミッドスタッズ「クルー・メドール(clou Médor)」を主役に据えた指輪である。メドールはバッグ・時計・ブレスレット・ベルトへと広がった一大デザイン群であり、リングはその最小単位として、一粒〜数粒のスタッズを甲に載せた潔い造形を持つ。多くはシルバー(SV925)製で、光を受けると四つの斜面がそれぞれ異なる反射を返し、小さいながら立体的で存在感のある印象を与える。レザーに金具を打った仕様も存在し、いずれも「実用金具を宝飾へ昇華させる」というエルメスの美学を端的に伝えるアイテムである。

イメージ図

オリジナルの図解です(実物写真ではありません)。

歴史・誕生

ピラミッドスタッズの源流は、1923年にエルメスが顧客のブルドッグのために誂えた首輪「コリエ・ド・シアン(Collier de Chien=犬の首輪)」にある。リードを通す中央のO字リングと、四角錐スタッズの配列がここで生まれた。1927年にはクチュリエの依頼でこの意匠が女性用ベルトへ転用され、1949年にはブレスレットへと発展。さらに1993年には腕時計「メドール」が登場し、コレクションはバッグ・リングへと拡張していった。スタッズはこの犬の首輪に由来することから「クルー・メドール」と呼ばれ、リングもこの長い系譜の末端に連なる。

年表
  1. 1949メドール(ピラミッドスタッド)意匠が登場

名称の由来

「メドール(Médor)」は、フランスでごく一般的な犬の愛称で、英語圏でいう「Fido」や「Rover」に当たる呼び名である。スタッズの意匠が犬の首輪(コリエ・ド・シアン)に発することへの、ウィットに富んだオマージュとして名付けられたと説明される。したがってメドールという語は特定の人名やブランド固有の造語ではなく、デザインのルーツである“犬”を軽やかに想起させるネーミングである、と複数の解説で語られている。

素材・カラー

リングの中心はシルバー(スターリングシルバー)で、現行〜近年の個体はSV925、ヴィンテージには950純度+フランスの銀器ホールマーク(ミネルヴァの頭部)を備える例もあるとされる。シルバーは鏡面〜微光沢で仕上げられ、スタッズの稜線がシャープに立つほど良い。レザーに金具を組んだメドール小物も存在し、革色はゴールド(茶)・黒・赤系などエルメス定番色が中心。金具はシルバー(パラジウム)系とゴールド系があり、銀×無彩色の組合せが最も汎用性が高い。

配色バリエーション
シルバー(SV925)
パラジウム調シルバー金具
ゴールド金具
ゴールド(タン)レザー
ブラックレザー
ルージュ系レザー

オリジナルの図解です(実物写真ではありません)。

素材・質感
シルバー(純銀/銀色金属)
ピラミッドスタッドを成形した銀の質感。経年で黒ずみ(硫化)が出やすい。
ポリッシュ仕上げ
スタッド面の磨き。擦れで光沢が鈍る個体もある。
レザー(コンビ個体)
スタッドに革を組み合わせた仕様も存在。乾燥・色移りに注意。

オリジナルの図解です(実物写真ではありません)。

金具・ディテール

リングの主役は四角錐スタッズ。底面が正方形で四面が頂点に向かって収束する建築的なフォルムが、メドールの全プロダクトに共通する“合言葉”である。指輪では、甲に一粒を据える端正なタイプのほか、大小2粒を並べて指が間に収まるよう構成したヴィンテージ例も知られる。バンドはC字に開いたオープンリング形状が多く、わずかなサイズ調整やはめ心地の柔軟性を生む。良品は各スタッズの高さ・角度が揃い、稜線が均一に立っている点が美しさの要となる。

各部名称
  1. 1ピラミッドスタッド メドールの象徴。四角錐の鋲。稜線の鋭さと面の平滑さが見どころ。
  2. 2台座(ベース) スタッドを支える土台。指輪本体との接合部。
  3. 3リングシャンク 指を通すバンド部。内側に刻印が入ることが多い。
  4. 4内側刻印 ブランド名・素材表記・サイズ等の刻印位置。

オリジナルの図解です(実物写真ではありません)。

刻印・年代の見方

シルバー製エルメスには、ブランド表記「HERMÈS」(2つ目のeにグラーヴ=左下がりのアクセントが付く点が重要)、銀純度の「925」、原産表記「MADE IN FRANCE」が深く均一に打たれるのが基本とされる。製造年を示すデートコードはアルファベット1文字で、概ね1946〜1970年は単独文字、1971〜1996年は丸囲み、1997〜2014年は四角囲みとされる(資料により細部の年区分に幅あり)。ヴィンテージでは950+ミネルヴァ刻印を伴う個体も報告される。刻印は目安であり、これだけで真贋は確定できない。

ホールマーク(金属の刻印)
Ag925
素材刻印(銀925)
🜍
ミネルヴァ頭(仏・銀の保証極印)
H
ブランド刻印(HERMÈS / H)
メーカーズマーク(菱形)

一般的な目安です。刻印は年代・個体で異なり、それだけで真贋を保証しません。

見分け方(真贋は保証しない)

以下はあくまで観察の目安であり、真贋を保証するものではない。最終判断は専門家に委ねてほしい。(1)刻印…「HERMÈS」のグラーヴアクセントの向き・「925」「MADE IN FRANCE」の打刻が深く均一か。(2)スタッズ…全ての粒の高さ・角度が揃い、頂点はやや丸みを帯び、過度に鋭利でないか。(3)重量と質感…シルバーらしい確かな重みと手触りがあるか。(4)仕上げ…バリ・歪み・接合の甘さがないか。これらは複合的に見るもので、一点の合致のみで本物と断じない・自社では鑑定しない。気になる場合は信頼できる専門家・鑑定機関へ相談を。

見分け・状態のチェック点
  1. 刻印の有無と字形 内側のブランド刻印・素材表記の打ちと字形を確認(状態確認の目安。真贋を保証するものではない)。
  2. スタッドの稜線・面 四角錐の角の鋭さ、面の歪み・潰れの有無を確認。
  3. 銀の黒ずみ・くすみ 硫化による黒ずみは中古で一般的。クリーニングで戻る範囲かを目安に。
  4. スタッド固定のぐらつき スタッドと台座の接合に緩み・浮きがないか確認。
  5. バンドの歪み・サイズ 変形・サイズ直し跡の有無、実寸を確認。

あくまで着眼点であり真贋を保証しません。最終判断は専門家へ。

相場・選び方(推定・保証なし)

中古のシルバー製メドール・リングは、状態・年代・サイズにより概ね5万〜20万円台で取引される例が見られる(推定であり保証しない。投資助言ではない)。選ぶ際は、スタッズの稜線がシャープで摩耗が少ないもの、変色・深い傷・サイズ直し痕の有無、刻印の明瞭さを確認したい。サイズは欧州表記やUS表記が混在するため、内周(実測mm)での確認が確実。付属箱の有無は価格に影響するが、リング本体の状態を最優先に。価格は市場で変動するため、購入時は複数の信頼できる販路で比較を。

コーデ・使い方

小ぶりながら立体感のあるスタッズが効くため、シンプルな装いの“差し色”ならぬ“差し質感”として機能する。同じメドールやコリエ・ド・シアンのブレスレット・イヤリングと素材(シルバー)を揃えれば、過度に主張せず統一感のあるセットアップに。重ね付けは細めのバンドリングと合わせるとスタッズの陰影が引き立つ。ユニセックスに使える意匠で、男性が小指や人差し指に効かせる例も多い。普段使いから装いのアクセントまで、メドール特有の硬質な可愛らしさが幅広く活きる。

着け方・配置
指に着ける

オリジナルの図解です(実物写真ではありません)。

お手入れ・保管

シルバーは空気中の硫黄分などで徐々に黒ずむため、使用後は柔らかい布で皮脂や汗を拭き取るとよい。黒ずみにはシルバー専用クロスを用い、研磨剤入りクリームの多用は稜線を鈍らせるため控えめに。スタッズの谷部分は綿棒など柔らかい道具で優しく。保管は変色を抑えるため、密閉できる袋や乾燥剤・アンチタンニッシュ紙とともに、他の金属と擦れないよう個別に。香水・温泉・プールの塩素は変色や腐食の一因となるため、装着前後で気を配りたい。

お手入れ・保管
水・湿気を避ける
直射日光を避ける
保存袋で保管
柔らかい布で拭く
摩擦・色移り注意
高温・乾燥を避ける
型崩れ防止(詰め物)
修理は専門へ

一般的な目安です。大切な品は専門家の助言に従ってください。

豆知識

メドール、コリエ・ド・シアン、そしてケリーやバーキンの金具に至るまで、エルメスの宝飾の多くは“馬具・革製品の金具”に源流を持つ。馬具工房として創業した同社らしく、実用の留め具やスタッズが装飾へと読み替えられてきた歴史がその根にある。ピラミッドスタッズは犬の首輪という極めて実用的な道具から生まれながら、100年近くデザインの核を変えずに受け継がれている点も興味深い。小さなリング一つにも、エルメスの“機能美”という思想が凝縮されている。

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