
エヴリンヌ
Hを象ったパンチング穴が特徴のショルダー。I型(〜2006頃)は内ポケット、II型(〜2014頃)は外ポケットを追加。
情報・画像 索引元:estime(ヴィンテージエルメス16選) ↗- カテゴリー
- バッグ(ショルダー/クロスボディ)
- 登場年
- 1978年とされる(諸説あり)
- 名前の由来
- 乗馬部門の Evelyne Bertrand に由来とされる
- 由来・用途
- 元は厩舎の馬具・道具入れ
- 象徴ディテール
- パンチング穴で描いた「H」(元は通気孔)
- 世代
- I・II・III+スリエ(2016〜)
- サイズ展開
- 16(TPM)/29(PM)/33(GM)/40(TGM) ほか
- 代表レザー
- クレマンス/エプソン(他モーリス等)
- 代表カラー
- ノワール/ゴールド/エトゥープ ほか
- 開閉
- プルスルー式ストラップ(留め具なし)
- 外ポケット
- 第2世代以降に背面ポケット
- 刻印
- Hermès Paris Made in France+年式刻印
- 見分けの目安
- 穴の整然さ・打刻の鮮明さ(保証ではない)
- 注意
- 真贋は専門家へ/相場は推定
相場の推移
推定であり保証ではありません—
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概要:どんなバッグか
エヴリンヌ(Evelyne)は、表面に並ぶパンチング穴で「H」を描いたエルメスの定番ショルダー/クロスボディバッグ。トートに近い縦長のシルエットに長い肩掛けストラップを組み合わせた、軽快でカジュアルなデイリーバッグとして知られる。バーキンやケリーのようなフォーマルさよりも、機能性と気取らなさが身上で、開閉はストラップを引き抜くシンプルな構造。世代(I・II・III、そして派生のスリエ)によって外ポケットの有無やストラップ仕様が変わるため、同じ「エヴリンヌ」でも年代で表情が異なるのが特徴とされる。
オリジナルの図解です(実物写真ではありません)。
歴史・誕生の背景(1978年・馬具由来)
エヴリンヌは1978年に誕生したとされ、当時エルメスの乗馬部門を率いていたエヴリン・ベルトラン(Evelyne Bertrand)がデザインし、その名を取ったと伝えられる。もともとはファッション用ではなく、馬の手入れ道具(ブラシやスポンジなど)を入れるための実用的な厩舎用バッグだったという。象徴的なパンチングの「H」も当初は装飾ではなく、湿った道具を乾かすための通気孔として機能し、穴は内向きに使われていたとされる。約20年は社内の乗馬用アクセサリーにとどまり、2000年代初頭にレザーグッズ部門へ移されて一般向けハンドバッグとなった、という来歴が広く紹介されている。
- 1978エヴリンヌ・ベルトランが馬具入れとして考案
- 2000レザーグッズ部門へ移管・Evelyne IIとして一般販売
世代の見方(I・II・III・スリエ)
エヴリンヌは大きく数世代に分かれて進化したとされる。第1世代(Evelyne I)は外側のポケットが無く、ストラップは長さ調整不可。第2世代(II)で背面に外ポケットが追加され、第3世代(III)では外ポケットに加えて長さ調整可能なキャンバスストラップが備わり、現行の標準仕様に近づいた。2016年にはアーティスティック・ディレクターのナデージュ・ヴァネー=シビュルスキーによる「エヴリンヌ・スリエ(Sellier)」が登場し、パンチングの代わりにダイヤ枠の「H」を型押しし、コバを外側に出した構築的な仕立てとされる。中古・ヴィンテージ選びでは、この世代差が用途や雰囲気を左右する重要ポイントになる。
サイズ・展開(16/29/33/40 と PM・GM)
エヴリンヌは複数サイズで展開され、一般に小さい順に 16(TPM)、29(PM)、33(GM)、40(TGM)などが知られる。数字はおおよその横幅(cm)に対応するとされ、TPM=16はミニクロスボディとして人気、PM=29は普段使いの定番、GM=33はやや大きめ、TGM=40は旅行向けと案内されることが多い。近年は中間サイズとして「23」が加わったとも伝えられる。サイズ名(TPM/PM/GM/TGM)と数字表記が併用されるため、購入時はcm寸法で確認するのが確実とされる。寸法は出典により多少差があり概ねの目安と考えたい。
幅 (cm)
素材・レザー・カラー
エヴリンヌに最も多く使われるのはクレマンス(Clemence)とエプソン(Epsom)とされる。クレマンスはマットでしなやかな手触りで、経年で柔らかく落ち感(スラウチ)が出やすい雄牛革。エプソンは型押しで構築的、傷や色落ちに比較的強く形が崩れにくいのが特徴とされる。ほかにモーリス(Maurice)やヴァッシュ・ハンター(Vache Hunter)などもあり、ヴィンテージにはバレニアやスエードなど珍しい素材も見られる。カラーはノワール(黒)、ゴールド(こげ茶系)、エトゥープ(グレージュ)といった定番ニュートラルに、季節ごとのパステルやビビッドが加わる。素材によって表情と経年変化が大きく異なる点が選ぶ楽しみとされる。
オリジナルの図解です(実物写真ではありません)。
オリジナルの図解です(実物写真ではありません)。
ディテール・構造
最大の特徴は、表面にレーザーのように整然と並ぶパンチングで形作られた「H」。穴の縁は処理されず、規則正しく等間隔に並ぶとされ、その仕上げの精緻さが本体の質感を決める要素になる。開閉はフラップを引き抜くプルスルー式のストラップで、留め具に頼らない軽快な使い心地。第2世代以降は背面に外ポケットが付き、スマホや交通系などをすぐ取り出せる。ストラップは世代により調整可・不可が分かれ、第3世代以降はキャンバス製の調整可能ストラップが標準。スリエ世代ではパンチングをダイヤ枠の型押しHに置き換え、構築的な印象に切り替えている。
- 1パーフォレイテッドH — 前面に開いた63個の穴で構成されるH。元は馬具乾燥用の通気孔。
- 2サングル(ストラップ) — 馬の腹帯に着想した取り外し可能な肩掛けストラップ。世代により固定長/長さ調整式。
- 3バックポケット — II以降で背面に設けられた外ポケット。
- 4クロシェット — 本体の留めに用いるレザー製の引き手・ベルト。
- 5本体(袋状) — ステッチで縫い合わされたシンプルな袋状ボディ。スリット開口。
- 6Dリング金具 — 本体上部でストラップを連結するDカン。
オリジナルの図解です(実物写真ではありません)。
オリジナルの図解です(実物写真ではありません)。
刻印・年代の見方(一般論)
エルメスは「Hermès Paris Made in France」の刻印に加え、製造年と工房・職人を示すブラインドスタンプ(デートスタンプ)を持つのが一般的とされる。エヴリンヌでは、留めストラップを通すプルスルー・タブの裏側付近に刻印があり、ストラップの端のレザー部にも「Hermès Paris Made in France」が入る、と解説される。年式表記は時代で方式が変わり、1971〜1996年は円囲み、1997〜2014年は四角囲み、2015年以降は囲みなしの文字のみ、という一般則が知られる(諸説あり・例外もあるとされる)。なお、これらはあくまで一般的な見方であり、年代や個体差で異なる場合があるため、断定は避けたい。
一般的な目安です。刻印だけで年代・真贋は断定できません。
見分け方・コンディションの見どころ
観察ポイントとして語られるのは、パンチング穴の整然さと等間隔、刻印の打刻が一文字ずつ深く鮮明に入っているか、ステッチの均一さ、レザーの質感、留めストラップやタブの作りなど。打刻が浅くぼんやりしている、穴の縁が雑、文字バランスが崩れている等は注意点として挙げられることが多い。コンディション面では、クレマンスは角擦れ・スラウチ、エプソンは折れ皺やコバの剥がれが出やすいとされる。
ただしこれらはあくまで一般的な目安であり、真贋を保証するものではない。当サイトは鑑定を行わず、最終的な真贋判断は必ず専門家に依頼してほしい。識別・推定はできても保証はできない、という前提で参考にしていただきたい。
- ✓Hの穴と縁の状態 — パーフォレイテッドHの縁の擦れ・伸び・裂けを確認。状態判断の目安であり真贋を保証するものではありません。
- ✓レザーのスレ・色ムラ — クレマンス等は経年でスレや色落ち・型崩れが出やすい。四隅と底の擦れを確認。
- ✓ストラップの縫製・革質 — サングルの付け根のステッチ緩み・革の劣化・調整金具の動作を確認。
- ✓金具のメッキ・刻印 — Dカン等の金具のメッキ剥げ・くすみを確認。刻印は状態確認の参考とし、断定はしない。
- ✓内側の汚れ・匂い — 裏地の汚れ・色移り・匂いを確認。
- ✓開口部の留めの効き — クロシェット/留めの効きと革の伸びを確認。
あくまで着眼点であり真贋を保証しません。最終判断は専門家へ。
相場・選び方の考え方
エヴリンヌはエルメスの中では比較的入手しやすい人気ラインとされ、サイズ・世代・レザー・色・コンディションで価格が大きく変わる。一般にTPM(16)とPM(29)の定番カラーは需要が高く、希少色や状態の良い個体はプレミアムが付きやすい傾向が語られる。選ぶ際は、用途(ミニか普段使いか)、世代(外ポケットや調整ストラップの有無)、レザーの経年変化の好みを軸にすると失敗が少ないとされる。
なお、ここで述べる相場感はあくまで推定であり、実際の売買価格を保証するものではない。市況により変動し、投資・資産価値を約束するものでもない点にご留意いただきたい。
コーディネート・使い方
エヴリンヌはクロスボディで斜め掛けすればハンズフリーになり、旅行・買い物・子連れなどアクティブな日常に向く。フォーマルすぎないため、デニムやスニーカーといったカジュアルから、きれいめのワンピースの外しまで幅広く馴染む。TPMは最小限の荷物でミニバッグ感覚、PM以上はマチがあり実用容量が出る。エトゥープやゴールドなどのニュートラルはどんな服にも合わせやすく、シーズンカラーやビビッドは差し色として楽しめる。気取らない佇まいが、上質な素材と相まって「力を抜いたエルメス」を体現するアイテムとされる。
オリジナルの図解です(実物写真ではありません)。
お手入れ・保管
クレマンスのような柔らかい雄牛革は水濡れや擦れに注意し、雨の日は避けるか撥水を意識したい。エプソンは比較的タフだが、折れ皺やコバ(縁の塗り)には気を配るとよい。使用後は乾いた柔らかい布で軽く拭き、直射日光・高温多湿を避け、形を保つために軽く詰め物をして保管するのが一般的な推奨とされる。長期保管は付属の保存袋に入れ、湿気対策をする。革製品のケア用品を使う場合は、まず目立たない箇所で試すのが無難。専門的なメンテはエルメスのアフターサービスや信頼できる革製品リペアに相談する選択肢もある。
一般的な目安です。大切な品は専門家の助言に従ってください。
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