
コリエ・ド・シアン
犬の首輪モチーフ。ピラミッドスタッズとリング金具が象徴。革種・幅でバリエーション。
- 通称
- コリエ・ド・シアン / CDC
- 名の意味
- 「犬の首輪」(仏語)
- カテゴリー
- ブレスレット(カフ/マンシェット)
- 由来
- 犬の首輪→ベルト→ブレスレット
- ベルト登場
- 1927年頃とされる
- ブレスレット化
- 1940年代とする説(諸説あり)
- 象徴的ディテール
- ピラミッドスタッズ+回転するO字リング
- 代表素材
- スイフト/エプソン等のレザー+金具
- 金具仕上げ
- パラジウム/ゴールド/ローズゴールド 他
- サイズ展開
- 現行 T1・T2・T3(旧 PM・GM)
- 留め具
- プロング+複数穴のプッシュロック式(調整可)
- ジュエリー版
- シルバー925/金無垢/ダイヤ入りも存在
- 見分けの着眼点
- リングの回転・スタッズの稜線・メッキ・刻印(真贋保証なし)
相場の推移
推定であり保証ではありません関連動画
詳しく知る
概要 — どんなアイテムか
コリエ・ド・シアン(Collier de Chien、略称CDC)は、フランス語で「犬の首輪」を意味するエルメスの象徴的なブレスレット。中央に四角錐型のピラミッドスタッズ(メドール・スタッズ)を並べ、その中心に回転するO字リングを配したデザインが最大の特徴。レザーバンドに重厚な金具を組み合わせたものが代表的で、ワイドなマンシェット(カフ)型として手首を力強く飾る。エレガンスとハードなエッジを併せ持つ意匠は発表以来人気が続き、レザー版のほか後年はシルバーや金無垢のジュエリー版も展開された。
オリジナルの図解です(実物写真ではありません)。
歴史・誕生の背景
ルーツは20世紀初頭にエルメスが手がけた犬用首輪にあるとされる。スタッズやリングを配した猟犬用の首輪のデザインが、後にウエストを飾るベルトへと転用された。クチュリエール、マリー・ジェルベの依頼で女性向けベルトとして仕立て直され、1927年頃に「コリエ・ド・シアン」のベルトが登場したと伝えられる。ブレスレット(カフ)への展開時期は資料により1940年代とする説が多く、1940年頃あるいは1949年のコレクション化など諸説あり、正確な単一の年代は断定しにくい。いずれにせよ、犬の首輪→ベルト→ブレスレットという系譜がこのモチーフの背景にある。
- 1923原型の犬用首輪を製作
- 1927アクセサリーとして展開
- 1949ブレスレットを発売
金具・ディテール・構造
中央プレートに並ぶピラミッド型のスタッズと、その中心で実際にくるくると回転するO字リングが意匠の核。リングは一見ソリッドに見えるが自在に回る作りで、CDCらしさの象徴とされる。レザー版は内側にプロング(爪)と複数の穴を備えたプッシュロック/バックル式の留め具で、複数の穴により着用サイズを微調整できるのが利点。金具はパラジウム(シルバー調)、ゴールド、ローズゴールドのプレート仕上げが主流で、ブラックPVC・ギヨシェ・パーマブラスなど希少な仕上げも存在するとされる。
- 1レザーストラップ — 手首に巻く本体の革帯。素材バリエーションが豊富
- 2ピラミッドスタッズ — 四角錐の鋲。元は犬の首輪由来の象徴的ディテール
- 3Oリング — 中央の丸環。犬の首輪のリード環に由来する意匠
- 4留め金具(H/差し込み) — 手首側で留めるバックル/差し込み式の金具
- 5調整穴 — 複数のサイズ穴で着け心地を調整できる
- 6刻印(デートスタンプ) — 革の内側に押される製造年・職人記号
オリジナルの図解です(実物写真ではありません)。
オリジナルの図解です(実物写真ではありません)。
サイズ・展開
現行のレザーCDCは概ね T1・T2・T3 のサイズ展開とされ、かつては PM・GM の表記が用いられていた。販売員の案内によれば旧PMはおおむね現行T1〜T2に相当し、T1は手首が細めでぴったり目を好む人、T2はやや太めまたはゆとりを好む人、T3はよりゆったり、男性は旧GM相当のT3が目安とされる。幅は中程度のカフで、手首をしっかり覆うボリューム感が身上。数値は個体や年代で差があり、ここで挙げた対応はあくまで目安。
素材 — レザーと金属
レザー版はスイフト(しなやかで発色の良い仔牛革)やエプソン(型押しで傷に強く張りのある革)など、エルメス定番のレザーが用いられる。カラー展開は黒・赤・白系から鮮やかなビビッドカラーまで幅広く、シーズンや年代により多彩。金具はパラジウム/ゴールド/ローズゴールドのプレートが中心。レザーを使わないジュエリー版としてはスターリングシルバー(925)や金無垢、ダイヤモンドをあしらった豪華版も存在する。素材と金具の組み合わせで印象が大きく変わるのも魅力。
オリジナルの図解です(実物写真ではありません)。
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刻印・年代の見方
エルメスのレザー製品には、年代を示すブラインドスタンプ(型押し刻印)が用いられるのが一般的で、CDCのレザー版でも金具やレザーの内側などに刻印が見られることが多い。アルファベットや記号で製造年を表す体系は時期により変遷しており、形状や位置も年代で異なるため、刻印だけで年代やすべてを判断するのは難しい。金具側には「HERMÈS」表記や素材・原産の刻印が入ることがある。刻印の読み方は一般論として参考にとどめ、断定は避けるのが無難。
一般的な目安です。刻印だけで年代・真贋は断定できません。
見分け方・コンディションの見どころ
見るべきは、O字リングがスムーズに回るか、ピラミッドスタッズの稜線がシャープで均一か、メッキの摩耗・剥がれ・変色の程度、レザーの角擦れ・色移り・乾燥や反り、プロングと穴まわりのダメージなど。刻印の彫りの精度や金具の質感も手掛かりになる。ただし、ここで述べた点はあくまで状態確認とコンディション把握のための一般的な目安であり、真贋を保証するものではない。真贋やコンディションの最終判断は信頼できる専門家に委ねること(当サイトが鑑定するものではない)。
- ✓スタッズの緩み・欠け — 各ピラミッドスタッズのぐらつき・脱落・角の潰れを確認
- ✓金具のメッキ剥がれ — Oリング・スタッズ・留め金の擦れや変色の程度を見る
- ✓革の状態 — ヒビ・乾燥・反り、ボックスカーフは特に表面の擦れを確認
- ✓留め具の機能 — 開閉がしっかり留まるか、調整穴の伸び・裂けを確認
- ✓刻印の有無・整合 — 刻印の打刻状態を状態確認の目安として見る(個人の見解であり真贋を保証するものではない)
- ✓サイズ表記 — 手首周りに合うサイズか(CDCはサイズ展開がある)を確認
あくまで着眼点であり真贋を保証しません。最終判断は専門家へ。
相場・選び方の考え方
レザー版CDCは比較的手の届きやすい価格帯から、シルバーや金無垢・ダイヤ入りの高額帯まで幅広い。中古相場は素材(レザーか貴金属か)、金具仕上げ、サイズ、カラー、コンディション、付属品の有無で大きく変動する。希少カラーや状態の良い個体はプレミアが付くこともあるが、ここで触れる相場感はあくまで推定であり、実際の売買価格を保証するものではない。投資目的ではなく、サイズが手首に合うか・好みのカラー金具かを軸に選ぶのが満足度の高い選び方とされる。
コーディネート・使い方
ワイドなカフ型は手元に強い存在感を与え、シンプルな装いの差し色・主役として効く。同じくエルメスのレザーブレスレットやスカーフ、時計と重ね付けする楽しみ方もある。金具のトーン(シルバー/ゴールド/ローズゴールド)を他のアクセサリーや時計と揃えると統一感が出る。メンズ・ウィメンズを問わずユニセックスに使える点も魅力で、辛口にもエレガントにも振れる懐の深いアイテム。
オリジナルの図解です(実物写真ではありません)。
お手入れ・保管
レザー版は水濡れ・直射日光・高温多湿を避け、汗や皮脂は柔らかい乾いた布で軽く拭き取るのが基本。金具のメッキ部分は強くこすると摩耗・変色の原因になるため、専用クロスで優しく扱う。使わないときは付属の保護袋や箱に入れ、レザー同士の色移りを避けて保管する。スイフトなど発色の良い革は色移り・擦れに注意。気になる傷みや乾燥はエルメスのアフターサービス(スパ)等、専門のメンテナンスに相談するのが安心。
一般的な目安です。大切な品は専門家の助言に従ってください。
豆知識・エピソード
「コリエ・ド・シアン」という名は文字通り「犬の首輪」を意味し、猟犬を上品に守るための首輪という出自をそのまま名前に残している。中央のリングはかつて首輪のリードを通すための環に由来するという見方もある。ベルト・ブレスレット・ジュエリーと姿を変えながら長く愛され、ピラミッドスタッズとO字リングというミニマルなアイコンだけで「エルメスのCDC」と分かる完成度の高さが、コレクターを惹きつけ続けている。
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