
クリッパー
船の舷窓に着想したビス留めベゼルが特徴のスポーティな時計。廃番のためヴィンテージとして流通する。
情報・画像 索引元:Wikipedia (Hermès) ↗- 通称
- クリッパー(Clipper)
- カテゴリー
- 時計(腕時計)
- 発表年
- 1981年(現行オリジナル世代は廃番)
- デザイナー
- アンリ・ドリニー(とされる)
- 着想
- 帆船クリッパー/舷窓(ポートホール)
- ケース素材
- ステンレススティール(/ゴールドコンビ)
- ベゼル
- 舷窓型・ビス留め円形ベゼル
- ムーブメント
- 主にクォーツ(一部機械式・クロノあり)
- 代表径
- 約24mm(レディースPM)〜30mm/36mm(ダイバー)
- ストラップ
- メタル/レザー/ラバー(イージーチェンジ)
- 代表リファレンス例
- CL4.210 系(24mmクォーツ)ほか
- 刻印
- ケースバックにリファレンス/シリアル
- 後継・派生
- 2010年 ダイバー・クロノグラフへ発展
- 相場感(推定)
- 状態・素材で変動/保証なし・投資助言でない
相場の推移
推定であり保証ではありません—
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概要
クリッパー(Clipper)は、エルメスが1981年に発表したスポーティなドレスウォッチ。最大の特徴は、船の舷窓(ポートホール)に着想したという円形ベゼルで、ビス(ネジ)留めのディテールが文字盤を縁取り、マリンテイストと端正さを同居させている。クォーツムーブメントを核に、ストレスのない実用性と上質な仕上げを両立させ、ドレスにもカジュアルにも馴染む汎用性からエルメス時計部門の代表作のひとつとなった。現在オリジナル世代は廃番で、ヴィンテージ市場で活発に取引されている。
オリジナルの図解です(実物写真ではありません)。
歴史・誕生
クリッパーは1981年、当時アーティスティック・ディレクターを務めたアンリ・ドリニー(Henri d'Origny)の手によって生まれたとされる。名はティーや綿花の交易路を駆けた19世紀の快速帆船「クリッパー」に由来し、力強くも優美なその帆船の世界観をモチーフとしている。海と冒険、大航海時代のロマンを腕元に落とし込むという狙いで、発表後ほどなくしてメゾンを代表するモデルへと成長した。
- 1981クリッパー誕生(アンリ・ドリニーによるデザイン)
サイズ展開
クリッパーは直径によってメンズ/レディースを使い分ける展開で、小径ほど控えめでフェミニンな印象になる。レディースのPMサイズは径24mm前後(クォーツ、ref. CL4.210系など)で、トレンチの袖口にもすっと収まる扱いやすさが魅力。ボーイズ/メンズはおおむね30mm前後、後年のダイバー・クロノグラフでは36mmと大ぶりになる。オーバル文字盤(ナクレ・オーバル等、約30×24mm)など派生形もあるため、購入時は実寸を確認したい。
幅 (cm)
素材・カラー
ケースは基本ステンレススティール。これに金色のベゼルやリュウズ、ブレスのセンターリンクを組み合わせたコンビ(ステンレス×ゴールド調/イエローゴールド)が定番で、シルバー系の端正な装いから華やかなツートーンまで幅広い。文字盤はホワイト/シルバー系を中心に、ピンクやブルーなどのカラーダイヤルも見られる。ストラップは純正メタルブレスのほか、レザーやラバーまで選べ、後年のダイバーではラバーで耐衝撃・耐食性を高めた。
オリジナルの図解です(実物写真ではありません)。
オリジナルの図解です(実物写真ではありません)。
金具・ディテール
クリッパー最大のアイコンは、舷窓を思わせる円形ベゼルとその縁に並ぶビス(ネジ)。このビス留めの意匠がスポーティな緊張感を生み、エルメスらしい品の良さと両立している。文字盤には大ぶりのアラビア数字が配され、針の進行に沿って数字の向きが傾く演出(時の流れに運ばれるようなデザイン)も語られる。さらにストラップは工具を使わずに付け替えられる「イージーチェンジ」機構を備え、一本でメタル・レザー・ラバーを着せ替えられる実用性が支持された。
- 1ポートホール型ベゼル — 船の舷窓を思わせる丸いベゼル。外周に複数のビス(ネジ)が並ぶのが意匠の核。
- 2ベゼルのビス — ベゼル外周に等間隔で配されたビス。緩み・欠落・打痕の有無を確認。
- 3文字盤(ダイヤル) — 白・黒・ブルー等。三針のほかクロノグラフやGMTもある。HERMÈSロゴと変色を確認。
- 4リューズ — 時刻合わせ用。巻き上げ感・引き出しのクリック感、ガタつきを確認。
- 5ブレスレット/ストラップ — メタルブレスのほか、工具不要で交換できる純正レザーストラップが特徴。
- 6ケースバック — 型番・シリアルが刻まれる。刻印の摩耗や非純正開閉痕を確認。
オリジナルの図解です(実物写真ではありません)。
オリジナルの図解です(実物写真ではありません)。
ムーブメント・世代
オリジナルのクリッパーはクォーツムーブメントを中心に展開された(一部にメカニカルや、後年にはクロノグラフも存在)。1981年の登場以降、エルメスは幾度もデザインを再解釈しており、2010年にはダイバーズウォッチへと発展。3本のクロノプッシャーはマストに見立てられ、潜水時間を計る逆回転防止ベゼルやラバーブレスを備えた本格仕様となった。コアな世代区分や仕様差はリファレンスにより異なるため、年代特定はムーブメントとケース番号を合わせて見るのが実務的。
刻印・年代の見方
ヴィンテージのクリッパーは、ケースバック等にリファレンス番号とシリアル(製造番号)が刻まれるのが一般的。エルメスのバッグで知られる年式ブラインドスタンプ(アルファベットの年代刻印)は基本的に革製品向けの体系で、時計の年代特定にそのまま当てはめるのは正確でない点に注意したい。年代はリファレンス、ムーブメントの世代、ケース仕様を総合して推定するのが妥当で、断定が難しい場合は「諸説あり」として扱うのが安全。正規の証明書・箱付き(フルセット)であれば素性を辿りやすい。
一般的な目安です。刻印は年代・個体で異なり、それだけで真贋を保証しません。
見分け方(真贋は保証しない)
チェックの目安としては、(1) ベゼルのビスの数・等間隔・仕上げの均一さ、(2) 文字盤やケースバックのHERMÈS/PARIS表記とフォントの精度、(3) リファレンス/シリアル刻印の有無と打刻の鮮明さ、(4) リュウズや尾錠のロゴ、(5) イージーチェンジ機構やブレスの作り込み、などが挙げられる。ただしこれらはあくまで目安であり真贋を保証するものではない。個体差や年代差も大きいため、最終的な判断は信頼できる専門家・正規の窓口に委ねること。本サイトの記述は個人の見解であり保証ではない。
- ✓ベゼルのビスの状態 — 欠落・緩み・形状違いがないか。意匠の要なので全周を確認。
- ✓稼働・精度の確認 — クォーツが多く、電池切れ・止まり・進み遅れを確認。クロノは各機能の作動も。
- ✓ガラス・ダイヤルの劣化 — 風防の傷・欠け、文字盤の変色やインデックスの浮きを確認。
- ✓ストラップ/ブレスの摩耗 — レザーは劣化・におい、メタルは伸び・コマ詰まり・留め具のゆるみを確認。
- ✓刻印・型番の整合 — ケースバックの型番・シリアル、純正パーツとの整合を目安に確認(保証ではない)。
- ✓防水・パッキンの状態 — 経年でパッキンは劣化。日常防水は過信せず、要時はオーバーホール前提で。
あくまで着眼点であり真贋を保証しません。最終判断は専門家へ。
相場・選び方(推定)
ヴィンテージのクリッパーは中古市場で活発に流通し、状態・サイズ・素材(オールステンレスかコンビか)・付属品の有無で価格差が出る。レディースのクォーツ小径機は比較的手に取りやすく、数万円台から見つかる一方、コンビやフルセット、状態極上個体は相応に上がる。これらは推定相場であり将来の価値を保証するものではなく、投資助言でもない。選ぶ際は実用なら防水・電池・パッキンのメンテ歴、コレクション目的なら付属品とオリジナリティ(文字盤・針・ベゼルの再塗装有無)を重視するとよい。
コーデ・使い方
クリッパーは「マリンの軽快さ」と「エルメスらしい品」を併せ持つため、シーンを選ばないのが強み。オールステンレスは知的でユニセックスな佇まいでシャツやニットに合わせやすく、コンビ(ゴールド)は華やぎが出て手元のアクセントになる。小径のレディースは重ね付けやブレスレットとの相性も良い。イージーチェンジ機構を活かし、平日はメタル、休日はレザーやラバーへ着せ替えれば一本で表情を大きく変えられる。スポーティすぎないので、ジャケットスタイルにも自然に馴染む。
オリジナルの図解です(実物写真ではありません)。
お手入れ・保管
ステンレスやコンビのケースは、汗・皮脂を柔らかい布で拭き取るだけでも輝きを保ちやすい。ビス留めベゼルやブレスの隙間は埃や汚れが溜まりやすいので、乾いた柔らかいブラシで優しく。クォーツ機は電池切れの液漏れがムーブメントを傷めるため、止まったら早めに交換し、その際にパッキン点検・防水確認も依頼すると安心。保管は直射日光・高温多湿・強い磁気を避け、長期保管時は箱や時計ケースで。レザーストラップは水濡れと蒸れに弱いので、使用後は乾燥させて陰干しを。
一般的な目安です。大切な品は専門家の助言に従ってください。
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