
ブックル・セリエ
1946年登場。馬具のバックルから着想したブレスレット。ヴィンテージとしては比較的手に取りやすい価格帯。
情報・画像 索引元:estime(ヴィンテージエルメス16選) ↗- カテゴリー
- ブレスレット(シルバー・ジュエリー)
- 登場年
- 1946年とされる(諸説あり)
- 由来
- 馬具(鞍)のバックル=尾錠
- 素材
- シルバー800(ヴィンテージ)/925(現行・新しめ)
- 構造
- グルメット(キュルブ)チェーン+可動式バックル金具
- サイズ展開
- PM(小)/GM(大)/TGM(特大)
- 全長の目安
- 概ね23〜25cm(個体差あり)
- チェーン幅の目安
- 約14mm(GM)〜30mm(TGM)
- 重さの目安
- GM・銀800で約120g前後(個体差あり)
- 刻印
- 「HERMÈS」署名・「800/925」純度・仏銀保証マーク(800はカニ印)
- 製作者マーク例
- Gaëtan de Percin/Edmond Hermès(個体による)
- 現行派生
- ブックルセリエ・アンフレクシブル(バングル型)
- ユニセックス
- ジェンダーフリー(男女着用)
- 見分けの要点
- 刻印・純度マーク・金具の作り込み(保証ではない/専門家へ)
『ブックル』=留め具、『セリエ』=馬具。馬銜(はみ)の鎖を参照したデザインで、シェーヌ・ダンクルと並ぶ象徴。新品定価はシェーヌ・ダンクルの約2倍だが、中古市場ではポテンシャルに対して割安とされる。
出典:VCM 十倍直昭(FASHIONSNAP) ↗相場の推移
推定であり保証ではありません—
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概要 — ブックル・セリエとは
ブックル・セリエ(Boucle Sellier)は、馬具の鞍に用いられるバックル(締め具)をモチーフにしたエルメスのシルバー・ブレスレットです。しなやかなグルメット(キュルブ)チェーンに、ベルトのコキーユ(尾錠)を象った可動式のバックル金具を組み合わせた構成で、留め具そのものがデザインの主役になっています。
「ブックル=留め具・尾錠」「セリエ=鞍職人/馬具づくり」を意味し、その名のとおり馬具工房に源流を持つエルメスのアイコンの一つ。男女問わず着けられるジェンダーフリーのジュエリーとして、長く支持されています。
オリジナルの図解です(実物写真ではありません)。
歴史・誕生の背景
ブックル・セリエの誕生は1946年とされています。エルメスは1837年にティエリ・エルメスが馬具工房として創業し、馬具・乗馬の世界から着想を得たジュエリーを発展させてきました(1927年のフィレ・ド・セル等が先駆とされます)。
ブックル・セリエはその系譜に連なり、鞍づくり(セリエ)とジュエリー(ジョアイユリー)という二つの専門技術を一本の腕輪の上でつなぐ試みとして生まれたとされます。誕生年や初期の詳細には諸説あるため、年代の断定は避け、概ね20世紀半ばに確立したモデルと理解するのが穏当です。
- 1927エルメス初のジュエリー、馬具着想の流れが始まる
デザインの読み解き — 馬具からジュエリーへ
意匠の核心は、鞍の締め具を写し取った尾錠(バックル)金具にあります。穴の開いた受け(パッサン)と尖った剣先(ポワント)を備え、本物のベルト金具のように見える可動構造をもつのが特徴で、ここがブックル・セリエを一目で識別させる要素です。
チェーンは太めで密度のあるグルメット(キュルブ)チェーンが用いられ、手首にしなやかに沿います。馬具の機能美をそのまま装身具に翻訳した、機能と装飾が一体になったデザインといえます。
サイズ展開(PM / GM / TGM)
ヴィンテージ/中古市場では概ね PM(小)・GM(大)・TGM(特大)の表記で流通します。出品例として、PM=全長約23cm前後、GM=全長約23.5cm(実用長20〜21cm/チェーン幅14mm前後)、TGM=全長約23cm(実用長19〜20cm/チェーン幅30mm前後)といった数値が見られます。チェーンの太さ・重量感がサイズで大きく変わるのが特徴です。
寸法は個体・年代で差があり、上記はあくまで一例。実用長はコマ詰め等の調整余地がある場合もあるため、購入時は手首実寸と現品の実測で確認するのが安全です。
幅 (cm)
素材 — シルバー800と925
ブックル・セリエは銀製で、世代によって銀の純度が異なります。古いヴィンテージ個体にはフランスで一般的だった「銀800(800/1000)」が、より新しい・現行寄りの個体には「スターリングシルバー925(925/1000)」が用いられた例が確認できます。
したがって「シルバー925」と一括りに語られがちですが、ヴィンテージでは800の個体も存在します。刻印(後述)で純度を確かめるのが確実です。重量はサイズ・銀種で異なり、GM・銀800の例で約120g前後という実測値が見られます(個体差あり)。
オリジナルの図解です(実物写真ではありません)。
オリジナルの図解です(実物写真ではありません)。
刻印・ホールマークの見方
出品事例では、チェーン金具裏に「HERMÈS」の署名、純度を示す「800」または「925」の刻印、そしてフランスの銀保証マークが確認されています。フランスでは銀800の保証刻印として「カニ(蟹)」のマークが用いられるため、800個体ではこの蟹印が手掛かりになります。
さらに、製作者(メートル=マスター)の菱形マークとして Gaëtan de Percin(ガタン・ド・パルサン)や Edmond Hermès の名が記録された個体もあります。これらはあくまで一般的な見方であり、刻印は年代・国・職人で変化します。読み解きの目安にはなりますが、最終的な真贋・年代判断は専門家へご相談ください(真贋を保証するものではありません)。
一般的な目安です。刻印は年代・個体で異なり、それだけで真贋を保証しません。
見分け方・コンディションの見どころ
確認の目安は、(1) バックル金具の作り込み(パッサンと剣先の形状、稼働のなめらかさ)、(2) チェーンの目の均一さと留め具の噛み合わせ、(3) 裏の「HERMÈS」署名と純度刻印・銀保証マークの一致、(4) 全体の重量感です。安価すぎる・刻印が曖昧・金具がぐらつく個体は慎重に。
コンディション面では、銀特有の黒ずみ(硫化)、コマの伸び・歪み、バックル可動部の摩耗、過度な研磨で刻印が薄れていないかを見ます。なお、これらはあくまで一般的な目安であり、真贋を保証するものではありません。高額個体や判断に迷う場合は、信頼できる専門家・鑑定機関に確認することをおすすめします。
- ✓刻印の確認 — 925 等の品位刻印とブランド表示の有無・打刻の鮮明さを状態確認の目安に。判断は専門家へ。あくまで個人の見解であり保証ではない。
- ✓バックルの開閉 — 留め具がスムーズに掛かり、緩みや歪みがないかを確認する。
- ✓チェーンの伸び・歪み — 各環の変形・伸び・摩耗、ロウ付け部の割れの有無を見る。
- ✓銀の変色・くすみ — 硫化による黒ずみは銀特有で清掃可能なことが多い。深い傷との区別を。
- ✓全体のサイズ感 — PM/GM等のサイズ表記と手首周りの適合を確認する。
あくまで着眼点であり真贋を保証しません。最終判断は専門家へ。
相場・選び方の考え方
中古・ヴィンテージのブックル・セリエは、サイズ(PM/GM/TGM)、銀種(800/925)、年代、コンディション、刻印の明瞭さで価格が大きく動きます。太く重いGM/TGMや、刻印が良好で状態の良い個体ほど評価が高い傾向ですが、価格は出品者・時期・為替で変動し、ここで挙げる傾向はあくまで推定です(売買価格を保証するものではありません)。
選び方としては、まず手首実寸に対する実用長で絞り、次に普段使いか主張のある一本かでチェーン幅(細めのPM/GM〜太めのTGM)を選ぶのが実用的。投資目的ではなく、長く使える一本として選ぶ視点をおすすめします(本記事は投資助言ではありません)。
コーディネート・使い方
ジェンダーフリーな意匠なので、シャツの袖口やニットからのぞかせる単独使いはもちろん、シェーヌダンクルなど他のエルメス・シルバーとのレイヤードも相性良好。バックル金具に表情があるため、シンプルな装いの差し色(差し銀)として効きます。
PM/GMは華奢〜程よい存在感で日常使いに、TGMは太く重量感があるので主役として。スーツにもデニムにも合わせやすく、男性のメンズジュエリーとしても定番化しています。
オリジナルの図解です(実物写真ではありません)。
お手入れ・保管
銀は空気中の硫黄分で黒ずむため、着用後は柔らかい布で皮脂・汗を拭き取り、シルバークロスで磨くと光沢を保てます。黒ずみが進んだ場合は銀専用クロス/クリーナーを軽く使い、可動部やチェーンの目に研磨剤を残さないよう注意します。
保管は密閉袋+乾燥剤で硫化を抑えるのが基本。香水・温泉・塩素(プール)・入浴は変色や劣化の原因になるため外すのが無難です。バックル可動部に無理な力をかけないことも長持ちのコツです。
一般的な目安です。大切な品は専門家の助言に従ってください。
豆知識・現行モデルとの関係
ブックル・セリエは長年作り続けられている息の長いモデルで、近年は剛性のあるバングル状の「ブックルセリエ・アンフレクシブル(Boucle Sellier Inflexible)」など派生も登場しています。古くは銀800・往年の職人マークを伴う個体、現行は925のスモール/ラージモデルと、年代の幅が広いのも魅力です。
馬具とジュエリーという二つの工房技術を一本でつなぐ発想は、エルメスのもの作り哲学を端的に表す一例として語られます。ヴィンテージ収集では、サイズ・銀種・刻印の組み合わせで個体ごとの個性を楽しめます。
図解いろいろ
- 1バックル金具(セリエ) — 馬具の鞍バックルを象った象徴的なモチーフ。留め具を兼ねる主役の部位。
- 2喜平チェーン — ねじって平らに磨いた連結環が連なる本体。デザインによりチェーン状/バングル状がある。
- 3留め先(ストラップ先端) — バックルに通して固定する先端部。可動部のため摩耗・緩みが出やすい。
- 4刻印部 — 銀の品位表示やメーカー名が打たれる箇所。摩耗で読みにくくなることがある。
オリジナルの図解です(実物写真ではありません)。
オリジナルの図解です(実物写真ではありません)。
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